軽オフセット印刷について

軽オフセット印刷の魅力
モノクロ印刷を得意とする軽オフセット印刷は、オンデマンド印刷と同様に「安く、早く、美しく」 を実現できる印刷方式です。両面モノクロ印刷に特化し、小部数冊子に最も適した印刷機械です。
特に小回りの効く印刷機械であるため、数百ページにわたる冊子でも驚くほどの速さで印刷が可能。
オンデマンド印刷機と比べて、約3倍のスピードで仕上がります。
コストを抑えながら高品質
軽オフセットでは紙ベースの刷版を使用するため、製版コストが低く抑えられ、少部数(300〜1,500冊程度)の冊子印刷に最適です。また、印刷部数が増えるほど1冊あたりの単価が下がるという特徴があり、コストパフォーマンスに優れています。
環境にも配慮した印刷方式
印刷には、環境にやさしい植物油性インキを採用。トナーではなくインキを使うため、印刷後はしっかりと乾燥させてから製本に進みます。このプロセスを経ることで、仕上がりも美しく、安心してご利用いただけます。
300〜1,500冊ほどの小〜中ロット冊子をご検討中のお客様に、スピード・コスト・品質・環境配慮のすべてを兼ね備えた印刷方法として、軽オフセット印刷は非常におすすめです。
CTP軽オフセット・アナログ軽オフセット
軽オフセットで印刷をおこなう際に必要となる刷版の出力形式が異なり、印刷時の線数も異なってきます。
CTP(コンピューター・トゥ・プレート)軽オフセット印刷とは

その名の通り、コンピューターから直接刷版を出力する製版方式です。アナログ製版で必要だった工程が不要となり、作業時間の短縮だけでなく、印刷品質も大幅に向上しました。写真や網点の劣化が少なく、データをより忠実に再現できるのが大きな特長です。また、従来はページ番号(ノンブル)をシールで貼っていた作業もすべて自動化されるため、歪みやシールの縁にできる影が写り込むこともありません。その結果、歪み調整や影、汚れを消すといった修正作業が不要となり、よりスムーズかつ高品質な印刷が可能になりました。
CTP軽オフセット印刷<美しくなっても費用は安く>
人的作業の削減でアナログ製版よりも短時間で、高品質な刷版を作成することが可能です。
面付けソフトを利用し、パソコン画面上で専用台紙に自動で張り付けることが可能となり、製版機への出力をスタートすれば自動的に全ての刷版が順に出力されます。アナログ製版時と同じ材料価格で、品質と作業効率を飛躍的に高めることが可能となり、作業効率の向上から、人件費の削減もおこなえますので、結果的にアナログ製版よりも安価でご提供可能となります。
アナログ軽オフセット印刷とは

紙の原稿から刷版(印刷の元となる版)を作成して印刷する方式です。かつてはこのアナログ製版方式が主流でしたが、いくつかの大きな課題がありました。最大の欠点は、多くの手間と時間がかかる一方で、品質が安定しないという点で、製版はコピーのような原理で行われるため、微細な文字や画像が劣化しやすく、「とにかく読めればよい」といった品質水準で仕上がることも多く、「軽オフセット印刷=安価だが品質は劣る」という印象が広く浸透し、品質を求める冊子印刷には、高価なオフセット印刷が選ばれるのが常識となっていました。このような印象は、現在でも一部の方に根強く残っています。
それぞれの特徴
CTP出力製版
CTPは、デジタルデータを直接刷版に転写することで画像の劣化を防ぎ、データ情報をより忠実に再現することが可能です。細明朝体や目の詰まったゴシック体、淡い網点や細い線など、アナログ製版と比べて再現性に大きな差が出ます。
そのため、綺麗に記録を残したい冊子や、写真・グラフなどをはっきりと再現したい冊子に多く利用されています。また、冊子印刷においては、価格も比較的安価で、納期も短く、仕上がりも格段に美しくなります。
このような理由から、可能な限りデータでのご入稿をおすすめしております。
アナログ出力製版
元の原稿を専用の台紙に貼り付け、コピーの要領で製版機によって複製するため、文字や網点、罫線、グラフなどの劣化を防ぐことができず、高精細な印刷には不向きとされていました。しかし、アナログ印刷には大きなメリットもあります。コピーと同じ方式のため、文字化けや体裁の崩れが一切発生せず、誤字や体裁の乱れが許されない印刷物においては、現在でも採用されることがあります。主に塾のテキスト集やテスト問題などに利用されています。
メリットとデメリット
CTP製版のメリット
- スキャニング作業の無駄なコストが不要
- 文字や画像、写真の仕上がりが美しい
- 作業工程が減るため、短納期に対応可能
アナログ製版のメリット
- 絶対に文字化けしない
- 現物があればデータの作成が不要
CTP製版のデメリット
- 文字化けなどのリスクが発生
- データ作成にある程度の知識が必要
アナログ製版のメリット
- 文字や画像の仕上がりが汚くなる
- 紙原稿の保管が面倒
- スキャニング作業が必要となるためコスト増加
CTPとアナログ<印刷線数の違い>
「線数」とは、印刷物のきめ細かさ(精度)を示す単位で、1インチあたりに並ぶ網点(ドット)の数を意味します。
単位は「線」または「lpi(lines per inch)」と表記され、たとえば133線なら、1インチ内に133個の網点が並んでいるということになります。基本的には線数が高いほど、精細に仕上がります。


印刷方式 | おおよその線数(lpi) |
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一般的なオフセット印刷 | 約175線〜 |
アナログ製版による軽オフセット印刷 | 約80線〜 |
CTP製版による軽オフセット印刷 | 約100線〜 (当社では120〜133線) |