「kg表記」とは何か?
印刷用紙の仕様を選ぶときによく目にする「上質70kg」「コート90kg」などの表記。
この「kg(キログラム)」は、紙1枚の重さではなく、四六判(788×1091mm)の用紙1000枚を積んだときの重さを表しています。
この単位を「連量(れんりょう)」と呼びます。
上質70kgは四六判1000枚で70kg、コート90kgは四六判1000枚で90kgの重量であるということを意味し、この数字が大きいほど厚い紙となります。
基準サイズ(原紙サイズ)と「kg」
紙の種類には原紙サイズが決まっていて、印刷業界では全紙(ぜんし)と言います。
用紙規格 | 全紙サイズ |
---|---|
四六判(しろくばん) | 788×1091mm |
菊判(きくばん) | 636×939mm |
A判 | 624×880mm |
四六判(788×1091mm) 1000枚の重さ → 「四六判◯kg」
菊判(636×939mm) 1000枚の重さ → 「菊判◯kg」
印刷通販では四六判換算(788×1091mmを1000枚)のkgで表記されるケースが多いです。
kg数と紙厚の目安
同じ「kg」でも上質70kgとマットコート70kgでは、厚みは異なります。
上質紙(非塗工紙)は繊維が多く空気を含むため軽めですが、コート紙やマットコート紙は、塗工によって繊維間の隙間が少なく、密度が高いため重量が増す傾向にあります。
そのため、同じ連量でも厚みが薄く=薄いのに重いという現象が起こります。
代表的な用紙で厚みを比較すると以下のようになります。
全紙1000枚の重量 | 上質紙の厚さ | コート紙/マットコート紙の厚さ |
---|---|---|
55kg | 約0.08㎜ | – |
70kg | 約0.10㎜ | 約0.08㎜ |
90kg | 約0.13㎜ | 約0.10㎜ |
110kg | 約0.15㎜ | 約0.13㎜ |
135kg | 約0.18㎜ | 約0.15㎜ |
180kg | 約0.23㎜ | 約0.20㎜ |
本文・表紙での使い分け例
- 本文(読みやすさ重視)
- 上質70kg~90kg、コート・マットコート90kg前後
- 「軽くてめくりやすい」ことも重要
- 表紙(耐久性・高級感)
- 135kg~180kg
- 小冊子なら135kg、ページ数が厚め(200ページ以上推奨)なら180kg以上
日常で手にする用紙での例え
上質70kg | コピー用紙程度 |
上質90kg | 雑誌の本文程度 |
コート110kg | 旅行パンフレット程度 |
コート、マットコート135kg | 薄めの冊子表紙程度 |
印刷用紙の「kg」を理解すれば紙選びがスムーズに
「kg」とは 四六判(788×1091mm)の紙1000枚の重さ(連量)を示すため、数字が大きいほど厚くて重い紙になります。
冊子印刷では本文には上質70kgやコート90kg、表紙にはコート135kgやマット135kgがよく使われ、まず失敗しない安定の用紙です。
郵送で送る際には、配送費用も考慮して、用紙重さを選定しましょう。