無線綴じ・中綴じ・平綴じ・スクラム綴じの違いと選び方
冊子を作るとき、紙の種類やページ数、デザインには気を使うのに、「綴じ方」はつい後回しになっていませんか?
実は、この“綴じ方”によって、仕上がりの印象や使いやすさ、コストまでも大きく変わるんです。
ここでは、特に小部数冊子の印刷でよく使われる4つの製本方法――無線綴じ・中綴じ・平綴じ・スクラム綴じ――について、それぞれの特徴や向いている用途をわかりやすく解説します。
無線綴じとは
本のようにしっかりとした仕上がりになる製本方法です。ページの背を糊で固めて、表紙でくるむのが特徴で、市販の書籍や文庫本などでよく使われています。
向いている冊子
報告書、小説、記念誌など多ページ冊子に適します。
「きちんとした印象を与えたい」「厚めの冊子を作りたい」場合にはぴったりの綴じ方です。
特徴
- 高級感と保存性がある
- 背表紙にタイトルを入れることも可能
- ページ数が多くても対応できる(最大200ページ前後)
注意点
- 開きが少し硬め
- 綴じ側(ノド)に重要な文字や図があると読みづらいことも
中綴じとは
紙を二つ折りにして、中心をホッチキスのような針金で留める方法です。
学校の冊子や配布パンフレットなどでおなじみです。
向いている冊子
広報誌、パンフレット、取扱説明書など、細部まで見たい内容のものに適します。
「気軽に配りたい」「短納期で作りたい」冊子には非常に相性がいい綴じ方です。
特徴
- 少ないページ(8〜40ページ程度)に向いている
- 見開きの写真や図版を活かしやすい
- コストを抑えられて納期も短め
注意点
- ページ数が増えると中央が盛り上がる
- 厚みが出ると見た目がやや不安定
平綴じとは
紙の端を針金や糊で綴じる方式。見た目は控えめですが、ビジネス資料などでよく使われます。
向いている冊子
会議資料、報告書、社内マニュアル、教材など「しっかりまとめたいけど、コストは抑えたい」ときにちょうどよい製本方法です。
特徴
- 実用性重視の製本方法
- 厚みがあっても比較的綴じやすい
注意点
- 開きが少し悪い
- 見た目に高級感がない
スクラム綴じとは
紙を束ねてそのまま折るだけの、もっともシンプルな綴じ方。糊や針金を使わないのが特徴です。
向いている冊子
子ども用教材、手作り冊子、イベント用配布物など。環境に配慮できる点で人気がある綴じ方です。
特徴
- コストを抑えて冊子が作れる
- 子供向けの冊子や、病院用の冊子にも最適
注意点
- ページ数が多いと形が崩れやすい
- 強度や保存性は他の綴じ方よりも劣る
綴じ方の比較表
綴じ方 | 推奨ページ数 | 見た目の印象 | 保存性 | コスト感 |
---|---|---|---|---|
無線綴じ | 40~1000ページ程度 | 高級感・本格的 | 高い | やや高め |
中綴じ | 8~80ページ程度 | シンプル・親しみやすい | 普通 | 普通 |
平綴じ | 40~200ページ程度 | 実用的・控えめ | 低い | 普通 |
スクラム綴じ | 8~40ページ程度 | 手作り感・ラフ | 低い | やや安い |
綴じ方を決めることは、冊子の目的を決めること
「この冊子で何を伝えたいのか」「どんな場面で使われるのか」を見つめ直すことでもあります。
印刷のことだけでなく、読み手の使いやすさ、デザインの自由度、配布・保管のしやすさまでを含めて考えると、冊子全体の完成度がぐっと上がります。
モノクロドットコムでは、それぞれの綴じ方に対応した冊子印刷を承っております。
小ロットからのご相談も可能ですので、「どの綴じ方がいいかわからない」という方も、どうぞお気軽にお問い合わせください。