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冊子印刷の本文裏透けを軽減する方法

冊子を作るうえで、本文の文字や画像が裏面に透けて見える「裏透け」は、読みやすさと印刷品質に大きく影響する重要な問題です。裏透けの原因と効果的な対策方法について詳しく解説します。

裏透けが発生する主な原因

裏透けは複数の要因が組み合わさって発生します。主な原因を理解することで、適切に対策することができます。

インク濃度と色

黒インクや濃い色のインクは裏透けしやすく、特にベタ塗りの部分や文字の密度が高い箇所では顕著に現れます。
また、写真やグラフィックでインクの使用量が多い場合も裏透けのリスクが高まります。

用紙の厚さと透明度

厚さと透明度は最も大きな要因となり、薄い用紙ほど光を通しやすく、印刷されたインクが裏面から透けて見えやすくなります。特に上質紙やコート紙の薄いものは透明度が高く、裏透けが発生しやすい傾向があります。

不透明度とは

不透明度(Opacity)とは、用紙がどれだけ光を通さないか、裏写りや透けを防ぐ力がどれだけあるかを示す指標です。

不透明度が高い:裏面の印刷や下にある文字が透けにくい(光をあまり通さない)
不透明度が低い:裏写りしやすく、下の文字や絵が透けて見える(光を通しやすい)

測定単位

一般的には **%(パーセント)で表記され、数値が大きいほど不透明度が高くなります。

  • 例:不透明度 98% → ほぼ透けない
  • 例:不透明度 80% → かなり透ける

冊子に適した用紙の不透明度目安

用紙種類 連量 不透明度 裏透けしやすさ 特徴・用途
上質紙 55kg 85-88% ★★★★☆ 薄手の白色用紙、コストが安い
上質紙 70kg 88-91% ★★★☆☆ 厚み標準、価格とのバランスが良い
上質紙 90kg 91-94% ★★☆☆☆ 厚手、裏透けしにくい
再生上質紙 70kg 86-89% ★★★☆☆ 環境配慮型、やや灰色がかる
コート紙 90kg 88-91% ★★★☆☆ 写真印刷向け、やや透けにくい
コート紙 110kg 91-94% ★★☆☆☆ 高級写真印刷向け、透けにくい
マットコート紙 70kg 87-90% ★★★☆☆ 上品な仕上がり、適度な不透明度
マットコート紙 90kg 90-93% ★★☆☆☆ 高級感のある仕上がり、透けにくい
書籍用紙 72.5kg 93-96% ★☆☆☆☆ 高い不透明度、裏透けしにくい

用紙選択による対策

裏透けを軽減する最も効果的な方法は、適切な用紙を選択することです。

用紙の厚さ(kg)を上げる

一般的に、本文用紙として70kg以下を使用している場合は、90kg以上の用紙に変更することで大幅に裏透けを軽減できます。ただし、厚すぎる用紙は製本時の問題や重量増加につながるため、バランスを考慮する必要があります。

上質70kgで0.1㎜/枚、上質90kgで0.13㎜/枚

1枚では大差ありませんが、100ページの冊子をそれぞれで作った場合、1.5㎜程度の差が生まれます。
厚みだけでなく冊子の重量も増します。

用紙の種類を変更する

上質紙よりも書籍用紙(クリームキンマリ)の方が不透明度が高く、裏透けしにくい特性があります。特に書籍用紙は読みやすさと裏透け軽減の両方を実現できる優れた選択肢です。コストは上がりますが、高品質な仕上がりを求める場合には検討する価値があります。

デザイン・レイアウトでの工夫

用紙変更が難しい場合でも、デザインやレイアウトの工夫で裏透けを軽減できます。

文字の濃度を調整する

黒100%ではなく、90%程度に薄くすることで裏透けを軽減しつつ、読みやすさを保つことができます。ただし、薄くしすぎると今度は文字が見づらくなるため、適切なバランスを見つけることが大切です。

ベタ塗りを避ける

デザインを考慮することも効果的です。大きなベタ塗り部分は裏透けの原因となりやすいため、グラデーションやパターンを使用したり、色を薄くしたりすることで改善できます。

両面印刷のレイアウトを調整する

表面と裏面で濃い部分が重ならないように配置を工夫したり、裏面の薄い部分と表面の濃い部分を対応させたりすることで、裏透けがあっても目立ちにくくなります。

印刷会社と相談

印刷時のインク調整も裏透け軽減に効果がありますので、インク濃度の調整を相談してみることで、対応してくれる可能性があります。ただし、インク濃度の調整を均一に保つには、熟練の経験が必要となるため、インク濃度で調整するよりも、データ濃度で調整することをおすすめします。

モノクロドットコムでは

インクやトナー濃度のご相談をお受けしております。お気軽にご相談ください。
事前に1冊見本を作成することで、実際の冊子を手に取ってご覧いただけますので安心です。

高品質な冊子印刷を実現するために

冊子印刷の裏透け軽減には、用紙選択、デザイン調整、印刷設定の最適化など、複数のアプローチがあります。最も効果的なのは用紙の厚さや種類を変更することですが、コストやその他の制約がある場合は、デザインや印刷設定での対策も有効です。重要なのは、印刷前の段階で裏透けのリスクを考え、適切な対策を取ることです。