冊子印刷は、会社案内、商品カタログ、同人誌、報告書、学術書など幅広い用途で活用されています。しかし、いざ印刷しようとすると「データってどう作るの?」「どの形式で入稿するの?」と迷う人も多いはず。この記事では、印刷初心者でも失敗しないよう、冊子印刷に最適なデータの作り方をステップごとに分かりやすく解説します。
使用するソフトを選ぶ
- Adobe InDesign(インデザイン)ページものの冊子制作に最も適したプロ向けツール。中綴じ・無線綴じなどの設定も柔軟に可能。
- Adobe Illustrator1ページずつ作成する場合に。表紙デザインやイラスト制作にも適しています。
- Word / PowerPoint:簡易な社内資料などの作成に便利。ただし、印刷会社によっては対応外のことも。
冊子サイズとページ数を決める
- 一般的なサイズは A4、A5、B5 など。
- ページ数は4の倍数で構成(両面印刷+中綴じ対応のため)。
- ページ構成(表紙+本文+奥付など)を紙に書き出しておくとミスを防げます。
データ設定時のポイント
- トンボ(トリムマーク):断裁位置を示す目印。印刷会社への入稿時は必須とされているケースが多いです。
- 塗り足し:仕上がり線の外に3mmずつ余白を設ける。背景や画像が端まである場合に必要です。
カラーモード
- CMYK(印刷用)で設定。モノクロ印刷ではK(黒1色)で作成。
- RGBで作成した場合、印刷時に色が変わる可能性があるので注意。
解像度
- 画像解像度は300dpi以上が推奨。
- Web画像は解像度が足りないため、ぼやけることがあります。
表紙と本文を分けるか、一体型か?
- 本文と表紙を別ファイルで入稿※無線綴じの場合
- 表紙+本文を1つのファイルで入稿(表1〜表4を含む)※中綴じ、平綴じの場合
書き出し(保存)形式(PDF推奨)
- 推奨形式:PDF/X-1a(印刷用規格)、PDF/X4
- フォントは埋め込む or アウトライン化すること。この処理が漏れていると文字化けの原因になります。
- リンク画像は埋め込む or 同フォルダにまとめる
入稿前の最終チェックリスト
- ページ構成・仕様(仕上がりサイズ、4の倍数)
- トンボ・塗り足し(画像や文字切れがないか)
- カラーと画像(CMYK、300dpi以上)
- フォント・テキスト埋め込み処理
- データ保存形式(PDF/X-1a、PDF/X4)
まとめ
印刷の品質は、データ作成の段階でほぼ決まります。用途に合ったソフトを選び、印刷会社の入稿ガイドに沿って正確にデータを作ることで、思い通りの仕上がりになります。この記事を参考に、初めての冊子印刷が満足いくものになりますように。