注文データと作成データサイズが同じでないといけない理由

注文する印刷データサイズと、作成したデータサイズとが一致していないと、再入稿になってしまうので注意が必要です。
例としては「A4サイズで注文しているのに、入稿データはB5サイズなど違うサイズ」になっていることです。
再入稿になってしまうと、冊子であれば該当する全ページを注文サイズに合わせて作成し直すなど、気が遠くなりそうな作業が発生します。 
または注文を一度キャンセルし、もう一度注文をすると言う手間が発生してしまうかもしれないのです。そのためにも、注文前に作成したデータを確認することが、非常に重要と言えます。
そこで今回は、どうして注文したデータのサイズと作成したデータのサイズが一致する必要があるのか、その理由を4つの点から紹介していこうと思います。 

印刷物の品質を維持するために重要 

印刷物の品質を維持するために、作成したデータの解像度や品質を維持することが重要です。
解像度とは「画像1ピクセルの中にどれだけの色情報が含まれるのかを表した数値」で、この情報は通常100%の大きさで貼り付けた状態でちょうどよくなるように作成しています。 そうやって作られた画像やページ全体を、無闇に大きくしたり、小さくしたりすると画像の質が落ちたり、文章の体裁が崩れたりしてしまいます。データサイズが変わると、画質の劣化や、パスを使って描かれたイラストの線が太くなったり、または細くなったりといった、不必要な変化が現れてしまうのです。 ※データサイズを一致させること以外にも、不必要な変化が現れないよう、文字やパスはあらかじめアウトラインを取っておくといいでしょう。 
その点でも注文したデータサイズでデータを作成することは何よりも重要なことと言えます。 

印刷の対象物に合わせたサイズ 

注文時に指定されたデータサイズは、印刷される対象物(例: パンフレット、ポスター、名刺など)の寸法と関連しています。データサイズが一致しないと、対象物の寸法が合わず、期待する印刷結果が得られません。 例えば、作成したデータの端が切れてしまったり、センターがずれてしまって望んでいない位置に折り目がきてしまって読みづらいということが起きてしまうのです。 
このようなことが起きないためにも、作成したデータサイズが注文のデータサイズと違う場合、再入稿をお願いしています。

切り落とし位置の変化が起きる 

印刷物は、トリムと呼ばれる仕上がりサイズに切り落とされることが一般的です。 
印刷物は切り落とす際に、少しのズレが起きる場合があるので、通常それより3ミリほど多く余白の部分を周りに確保しておく必要があります。(赤色ベースの冊子なら、赤色を3ミリ分確保しておく) 
これは、仕上げサイズ目一杯に縁なしの印刷(塗り足し)をおこなう時に、仕上げ端に不自然な空白や切れ端が発生することを防ぐためです。 
空白とは、白い紙に印刷している場合、その白い紙の地色が見えてしまうことです。 
作成したデータがそのトリム領域を考慮していないデータ(注文とデータサイズが違う)であった場合、切り落とされた際に端に不自然な空白や切れ端が発生する可能性があります。 

データサイズを一致させることは必須条件!

冊子やパンフレット、チラシ、その他の印刷物によって、印刷の方法や面付け手順が変わります。印刷前の面付け工程では、主に寸法や仕様に合わせてソフト上で自動調整されますが、その時に不正確なデータサイズで提供された場合、予期せぬエラーや体裁崩れが生じ、スムーズに印刷工程へ進めることができなくなります。これらの理由から、印刷依頼時には注文したデータサイズと、作成したデータサイズが一致していることが必要不可欠となります。
再入稿という手間を作らず、より満足いく印刷物を作成できるよう、依頼前に入念なチェックを心がけましょう。