オンデマンド印刷の注意点

必要な数を必要な時に印刷できる便利なオンデマンド印刷ですが、オンデマンド印刷ならではの弱点もあります。
その弱点を踏まえ、オンデマンド印刷にするか、軽オフセット印刷にするか、高級オフセット印刷にするかをご判断ください。

・弱点その1

高温熱処理をおこないトナーを定着させますので、どうしても用紙の波打ちが起こります。
温度を下げることも可能ではありますが、下げすぎるとトナーの定着不良が起こりますので下げるにも限度があります。
弊社では定着不良を起こさないギリギリの温度を検証し設定しておりますが、それでも多少の波打ちは起こってしまいます。

・弱点その2

表裏見当の甘さが目立ちます。本番印刷開始前に表裏見当を合わせてから印刷をおこないますが、印刷が進むにつれ表裏のズレが生じてきます。
この原因も高温熱処理に起因しております。用紙に含まれる水分量なども影響し、印刷中に表裏見当のズレがどうしても生じてしまうのです。
商品としてふさわしくないレベルのズレではありませんが、軽オフセット印刷やオフセット印刷と比較すると少々目立つ傾向にあります。

・弱点その3

用紙の凹凸に弱いのも特徴です。代表的な用紙だとレザックなどの凹凸がある用紙となりますが、凹の部分に綺麗にトナーが浸透しづらいです。
オンデマンド印刷機によっては、レザックは全く印刷できないというメーカーもありますが、弊社のオンデマンド印刷機では比較的綺麗に印刷されるよう設定しております。
ですが、軽オフセットのように全くムラなく印刷させることは不得手なジャンルとなります。

・弱点その4

小ロットでないと使用しづらい。これはオンデマンド印刷機の特徴ではありますが、印刷数量が増えても1冊単価が下がりづらいため、まとめて作成する印刷物には不向きですので、軽オフセットやオフセット印刷とは相反する特徴を持っています。
作成数量は300冊程度まで、それ以上は軽オフセット印刷がいいでしょう。数千冊数万冊作る場合はオフセット印刷がおすすめです。

まとめ

今回はオンデマンド印刷機のデメリットばかりを挙げましたが、最新のオンデマンド印刷機ですので、仕上がりは非常に美しく、オフセット印刷と比較しても遜色ないレベルにまで到達しております。
ただ良いことばかりではなく、どのような機械にも得手不得手があることをご承知いただき、お客様にとって、印刷方式を選択される際の判断材料となれば幸いです。