【小冊子作り】軽オフセット印刷とオンデマンド印刷、どう違うの?

モノクロ小冊子を印刷する方法としてよく比較される「軽オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」があります。
どちらも「少部数を安く作れる」というメリットがありますが、それぞれの特徴を理解しないで選ぶと「かえって割高になってしまった」といったことも起こりがちです。
そこで今回は、軽オフセット印刷とオンデマンド印刷について、それぞれの仕組みや特徴、向いている仕様などを分かりやすくご説明します。
自費出版やパンフレットなどの小冊子印刷を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

軽オフセット印刷とは?小冊子に向いている理由

軽オフセット印刷とは、「簡易的なオフセット印刷」のことです。オフセット印刷では大きな機械でアルミ製の版を使って印刷するのに比べ、軽オフセット印刷では小さな機械で紙製の版を使って印刷します。印刷資材にかかる費用が少なく済むため、低コストで冊子を作ることができます。
ここでは、軽オフセット印刷の仕組みと、向いている仕様についてご紹介します。

・軽オフセット印刷とは

軽オフセット印刷について説明する前に、まずは基本となる「オフセット印刷」の仕組みについて簡単にご紹介します。
オフセット印刷の最大の特徴は「刷版が直接紙に接触しない」こと。刷版をハンコに例えるなら「ハンコを直接紙に触れさせずに押印する」ということになります。一体どういう仕組みで印刷するのでしょうか?

【 オフセットの仕組み 】

① 製版
刷版に原稿を焼きつけます。この時、インキを付ける凸部分は親油性(油になじむ部分)、それ以外は親水性(油をはじく部分)になります。
② インキをつける
刷版に油性インキをつけます。凸部分だけが親油性になっているのでインキが付き、それ以外は親水性なのでインキをはじきます。
③ インキを転写する
刷版からゴム製のブランケットにインキを転写します。
④ 印刷
ブランケットから印刷用紙にインキを転写します。印刷機械によっては両面同時に印刷することも可能です。

インキを刷版からブランケットに移して(off)、さらにブランケットから紙に移す(set)ため、名前に「オフセット」という言葉が使われている訳ですね。軽オフセット印刷では、この時に紙製の刷版(ピンクマスター)を使うため、資材にかかるコストを大幅に抑えることができます。刷版と紙が直接触れないので、紙製の刷版でも摩耗が少なく、印刷物を鮮明に仕上げることが可能です。

・CTP軽オフセット印刷とは

CTPとは「Computer to Plate」の頭文字をとったもの。つまり、コンピューターに入ったデータを直接製版機から出力して刷版(plate)を作る方法です。従来のアナログ方式に比べ、原稿データに忠実に印刷できるのが特徴で、淡い画像・写真・グラフ・細い線などもきれいに表現できます。
CTP方式の登場により、軽オフセット印刷の品質は大きく向上し、従来の「安いけれど、品質面ではオフセット印刷機に劣る」というイメージを塗り替えました。現在はインターネットなどを通じて「早い・安い・きれい」なモノクロ冊子を作ることが比較的容易となりました。

・メリット・デメリット

先ほど、軽オフセット印刷とは紙製の刷版を使って印刷する方法だとご説明しました。
この印刷方法は、どんな仕様に向いているのでしょうか。まずはメリット・デメリットからご紹介します。

・軽オフセット印刷で小冊子を作るメリット・デメリット

メリット

・両面印刷ができるので、完成までの時間が短くて済む。※コート系、マット系の擦れる用紙は不可
・製版コストが安く済むため、冊子の制作費用が抑えられる。
・トナーではなくインキを使用するので、冊子が波打たず、きれいに仕上がる。
・作成数量が多くなるほど1冊あたりの価格が下がる。

デメリット

・紙の刷版はアルミ版と比べ、耐久性に劣るため、3,000部程度が1版あたりの耐刷枚数となる。
・両面同時印刷をするので、コート紙やマット紙への印刷ができない。
・紙の刷版は多色印刷ができない。

・軽オフセット印刷に向いている小冊子

〈制作例〉
・地域の広報紙・会社資料・取扱説明書・問題集解答集・卒業文集・シラバス(講義概要)
・小説などの自費出版・研究論文・モノクロメインの1,500冊程度までの冊子全般
※表紙や一部ページのみ、プリンターによりカラー印刷にする例も多くあります。

オンデマンド印刷は、どんな小冊子に向いている?

オンデマンド印刷とは、「on demand」という英語の示す通り「要求に応じて、必要な時に必要なだけ印刷をする」という方法のことです。
オフィスのコピー機や家庭用のプリンターをイメージすると分かりやすいかもしれません。刷版を作る必要がないため短納期で制作でき、10冊未満といった極端に少ない部数にも対応できます。
ここではオンデマンド印刷の仕組みと、向いている仕様についてご説明します。

・オンデマンド印刷の仕組み

オンデマンド印刷の最大の特徴は「刷版を使わない」ということ。原稿データをパソコンから印刷機に直接送って印刷し、機械によっては製本までを一貫処理することも可能です。オンデマンド印刷の方式には、大まかに「トナー方式」と「インクジェット方式」の2つがあります。
【トナー方式とは】 「トナー」とは、ミクロサイズの顔料(印刷物の着色に使う粉末)のことです。トナー方式では、静電気と熱を使って印字したい部分にトナーを定着させ、印刷を行います。オンデマンド印刷では、この方式が採用されることが多いです。オフィスなどにあるコピー機の多くもトナー方式を使用しています。

・インクジェット方式とは

インクジェット方式とは、紙の上に極小のインクを吹き付けて印刷する方式のことです。家庭用のプリンターをイメージすると分かりやすいでしょう。
インクを噴射する方法は様々で、熱や電圧、超音波などが使われています。

・オンデマンド印刷で小冊子を作るメリット・デメリット

刷版を作らず、原稿データを直接印刷するオンデマンド印刷。この印刷方法は、どんな仕様に向いているのでしょうか。
まずはメリット・デメリットから見ていきましょう。

メリット

・数冊程度の極小ロットや、種類が多数ある冊子にも対応できる。
・製版工程が不要なので、短納期で制作できる。
・少ない部数なら、低価格で制作できる。

デメリット

・熱処理を施すため、湿気を含んだような冊子全体に波打が生じることがある。
・印刷機の性質により、再生紙・凹凸のある紙・薄すぎる紙・厚すぎる紙への印刷ができない場合がある。
・「1冊〇〇円」と価格が決まっていることが多いので、制作部数に比例してコストが増える。そのため、部数によっては割高になってしまうことがある

「少部数に対応できる」というメリットを生かして、100部以下の小冊子がよく作られています。短納期でできるので、とにかく急ぎで冊子が必要な時には便利です。

・オンデマンド印刷に向いている小冊子

〈制作例〉
・同人誌・写真集などの自費出版・商品パンフレット・表紙や本文一部にカラー印刷がある場合など。

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軽オフセット印刷とオンデマンド印刷、それぞれの特徴etc.や活用例をご紹介してきました。まずは作りたい小冊子の部数や制作期間などを決めて、どちらの印刷方法がいいか検討するといいですね。手軽にできるのが魅力の小冊子印刷。最適な印刷方法で、自分だけの冊子を作りましょう!
モノクロ冊子印刷.comは「1,500冊未満の少部数のモノクロ冊子印刷」に特化した印刷会社です。「安く・早く・美しく」というこだわりを持ち、CTP軽オフセット印刷により低価格で高品質なモノクロ冊子の提供に努めています。 モノクロ冊子印刷に特化した会社だからこそ、他社様では見積りと予算が合わなかったケースでも、ご期待に沿える可能性があります。ご希望があれば、無料でのサンプル印刷も可能です。
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