印刷方式や特徴、各種製本加工について

製本(本の加工方法)には様々な方法があり、用途によって適した種類があります。
その方法によって印刷工程、製本工程、また本の強度、納期・金額等も異なります。
弊社のモノクロ冊子印刷を良く採用される企業様では「取扱説明書予算書・決算書議案書」のご注文が多く、各教育機関様では「講義要項・学生便覧・研究紀要・博士論文集・卒業文集」などが多いです。
一般のお客様からは「町会報・自費出版」が人気です。
近年、予算削減を企業、教育機関なども意識され、印刷数量を少なくしたり、カラー冊子印刷からモノクロ冊子印刷へと移行し、予算を抑える動きが目立つようになりました。
単価優先、または単価は抑えつつ、豪華さが出せるご提案など、過去の実績を活かしてお役に立てればと思います。
全てにおいて、ご希望に沿えるご提案を心掛けてまいります。

・軽オフセット印刷とは?

軽オフセットとはオフセット印刷機が使用する『アルミ製の版』とは違い、紙製の版『サーマルデジプレート』を使用して小型の印刷機にて印刷をおこなう、簡易オフセット印刷のことを『軽オフセット印刷』といいます。
製版コストが安く、小ロット・低価格の印刷物に向いています。
A3ワイドの印刷機で、植物性のインキを使用し、表裏同時に印刷を行う事が可能です。
弊社が使用する「CTP(Computer to Plate)軽オフセット印刷」は、従来のアナログ方式ではなく、面付けデータを直接製版機へ出力し、刷版を作成します。
今までは再現出来なかった淡い画像や写真、グラフ、細い線などがより作成データに忠実に再現されます。
印刷に必要な資材のコストが安価なため、作成する数量が1000冊未満のモノクロ冊子ですと、大型オフセット印刷機と比較した場合、印刷費用を大きく抑えられる事が最も選ばれる理由の一つです。

軽オフセットのメリット

・両面同時印刷が可能なので印刷工程が速い
・製版コストが安価なため、費用を抑えられる
・熱処理が必要なトナーではなく、インキを使用するので冊子の波打ちが起こらず、凹凸のある用紙でも綺麗に印刷可能

軽オフセットのデメリット

・紙ベースの刷版を使用するため、大ロット数の印刷ができない
・両面同時印刷をおこなうのでコート紙やマット紙の印刷ができない
・紙の版なので多色印刷ができない

・オンデマンド印刷とは?

オンデマンド(On demand)印刷とは、『要求に応じて必要な部数を提供する印刷』という意味です。
入稿された印刷データをダイレクトに読み取り、複写から製本までを一貫処理する方式で、 オフセット印刷に必要な製版作業が不要となるため、小部数で短納期の対応が必要な印刷に適しています。
1冊からでも素早く作成が可能な印刷方法です。
モノクロ冊子印刷ドットコムが使用するオンデマンド印刷機はフルカラー印刷にも対応。低コストで高品質なフルカラー冊子の作成も可能です。
軽オフセット印刷とは違い、刷版を作る必要がありませんので、短納期で少部数を低コストで印刷することが可能です。
ただし、1枚○○円と価格が決まっているため、作成数量が増えると1冊単価が下がっていく軽オフセット印刷とは違い、倍々で増額していきます。200部未満の印刷物によく利用されます。

オンデマンド印刷のメリット

・極小ロットの印刷、または「種類が多数ある印刷物」に適している
・とにかく急いでいる案件に対応が可能

オンデマンド印刷のデメリット

・プリンターを使用するため、紙の種類(腰の無い再生紙や凹凸のある用紙)、厚さに制限があります
・数が増えると割高になってしまいます

・オフセット印刷とは?

オフセット印刷とは印刷のもととなる刷版にアルミ版を使用し、商業印刷などに適した高品質の印刷物を実現できる印刷方法です。
大量生産に適し、数ミリのズレも許されない繊細な印刷物を作成される際によく利用されます。
その精度から多色印刷を得意とし、カラーチラシやカラーカタログなどを得意とします。
ただし小部数の作成には不向きで、非常に割高となるケースが多いです。

オフセット印刷のメリット

・カラー印刷は勿論のこと、特色での印刷も可能
・超高精細な印刷物にも適し、非常に美しい仕上がりを実現可能

オフセット印刷のデメリット

・印刷コストが高い。
・納品までの時間がかかる場合が多い。

・各種冊子製本のご紹介

無線綴じ冊子参考画像

無線綴じ冊子印刷製本

「予算書・決算書・議案書・学生便覧・研究紀要・講義要項」などにおすすめ
無線綴じ製本は最もポピュラーな製本方法で強度・耐久性に優れた綴じ方法です。
糸や針金を使用せず、ホットメルトと呼ばれる製本用の糊を高温で溶かし、本文の背を表紙に接着させて綴じます。このホットメルトという糊は速乾性が高く、温度が下がると固まります。
表紙中面に見返しなどの加工を加えると更に強度は増します。
シラバス、講義要項、研究紀要など大学で使用される冊子に多く利用されます。
表紙のみカラー印刷、本文はモノクロ印刷といったケースも多く、そのような仕様にも対応可能です。

中綴じ冊子参考画像

・中綴じ冊子印刷製本

「取扱説明書・パンフレット・決算書・予算書・町会報」などにおすすめ
中綴じ製本はホットメルトなどの糊を使用せず、本文と表紙の背中をホッチキスで綴じる製本方法です。本が大きく展開するので、内容が読み易くなり、見開きページで説明したい内容の本には非常に適しています。ただし、針金で二カ所止めているだけなので、無線綴じと比べると強度は低く、また頁数が多い場合は針金が貫通できずに本がばらけてしまう為、中綴じ製本では綴じる事が出来なくなるケースもあります。特に取扱説明書に多く、大きく本が展開するので、細部にまで目を通したい冊子にはおすすめです。
表紙のみカラー印刷、本文はモノクロ印刷といったケースも多く、そのような仕様にも対応可能です。

平綴じ冊子参考画像

・平綴じ冊子印刷製本

「社内資料・メモ帳・町会報」などにおすすめ
平綴じ製本は中綴じ製本同様、ホッチキスで綴じ込む製本方法です。
中綴じ製本とは違い用紙の真ん中を綴じるのではなく、無線綴じの糊が接着される付近に数カ所ホッチキスで止める製本方法となります。冊子の角に1ヶ所で止める場合もあります。 長期保存を目的とした冊子ではなく、比較的期間限定で使用する社内資料などによく選ばれる製本方法です。
ホッチキスを隠す為にクロステープ加工、マーブルテープ加工を施すことも可能です。

・各種オプション加工のご紹介

・扉について

著者や章ごとに区切る場合に便利です。

扉とは冊子の章タイトル※第1章は赤、第2章は青など、各章の見出しを色上質などで区切り、より読みやすく、分かりやすくするために採用されます。
また研究紀要などの複数人の研究結果を1冊の冊子にまとめる際にも、筆者ごとにページ分けするために採用されるケースが多いです。
弊社、『用紙ラインナップ』にある色上質紙のカラーバリエーションの中からお選びいただけます。
本文用紙と同じ用紙を扉とする事も可能ですが、色上質紙で見た目に差をつけることで、本文との境界が分かりやすくなるだけでなく高級感が演出できます。
片面印刷、両面印刷どちらも対応可能です。
印刷せずに遊び紙として挿入することも勿論可能です。

基本的には冊子の章タイトルや筆者ごとにページを区別するために使用しますが、特に挿入箇所に決まりはありません。
アクセントに1枚、章タイトルに5枚など、上限枚数20枚までであれば、お好きな箇所をお選びいただけます。

・折込加工について

展開して情報を載せたい場合に便利です。

A4の冊子であればA3の用紙を見開きで挿入し、より大きな情報を追加できる加工です。
B5の冊子であればB4の用紙を見開きで挿入します。
展開していない時は綺麗に仕上がりサイズ内に収まるように3つ折にしてから綴じこみます。
こちらの加工は無線綴じ、平綴じのみ対応可能な加工となります。
展開することで情報量は増やせますが、折り目で膨らむことで、本を重ねるとバランスが悪くなります。

無線綴じ・平綴じに選択可能なオプションです。
お好きな場所に挿入することが出来ます。
一般的に巻頭、巻末に挿入されることが多いです。上限5枚となります。

・見返し加工について

主に冊子の強度を増すための加工です。

表紙2、3面に用紙を貼り付け見栄えの高級感アップ、冊子の強度を増すためにおこないます。ページ数の決まりはありませんが、200ページを超えてくる場合には、強化目的のために採用されるケースが多い加工です。
本文用紙よりも、少し厚手の用紙がおすすめです。
冊子のアクセントにもなりますので、お洒落に仕上がります。

無線綴じのみ対応可能なオプション加工となります。見た目の豪華さを演出するだけでなく、冊子の強度を増すためにも仕様されます。
表紙や本文と違う用紙を選択することも可能です。
イラストのように表2、表3の端に糊付けし、本文の先頭と巻末に遊び紙を一枚挿入します。

ミシン加工について

受験票や申込書などを冊子の本文ページとして作成し、出来上がった冊子を利用者が該当ページのミシン目に沿ってちぎりやすくするための加工です。払込用紙などによく利用される加工ですので、皆様一度は目にされたことがあるのではないでしょうか。
一般的な切り取り場所として多いのは、冊子の綴じ部分から約1㎝の箇所に図①のようなミシン加工です。縦横交差するミシン加工にも対応しております。
ただし図②のような交差せずきっちり止めるミシン加工には対応しておりませんのでご注意ください。
ご注文いただく際の本数については、図③を参考にしてください。弊社用紙ラインナップ内の最薄用紙(55kg)をミシン加工に使用する場合、非常に破れやすくなるため、上質70kg以上をご選択されることをおすすめします。

ミシン対応可能例
図①
ミシン対応不可例
図②
ミシン本数数え方例
図③

・PP加工について

【PP加工】とは『ポリプロピレン加工』を略した呼び名で、印刷後に印刷された用紙の表面にコーティングをおこなうラミネート加工の一種です。
冊子の表紙や表紙カバーに最もよく利用され、冊子の強度アップ、見栄えをよくする為に、長期保存したい冊子や販売したい冊子などに人気ある加工です。
長期保存に適している理由として、ツヤありPP加工は表紙表面に摩擦によって起こる印刷面の傷や色移り、多少の水濡れを防ぐ事ができます。
また、PP加工には表面に貼付けるフィルムにもいくつか種類があり、印刷会社で多く採用されているのは『グロスPP(ツヤあり)』『マットPP(ツヤなし)』となります。
弊社では以下二種のPP加工を採用しております。

無線綴じ,中綴じ,冊子激安,冊子大阪,モノクロ冊子印刷作成,冊子印刷,小冊子
非常に光沢が出るツヤありPP加工です。
本来ツヤのない用紙にでも超光沢を実現可能です。
濡れや擦れに強く、長期保存に適した特殊加工です。
無線綴じ,中綴じ,冊子激安,冊子大阪,モノクロ冊子印刷作成,冊子印刷,小冊子
非常に落ち着いた雰囲気を演出できる加工です。
本来ツヤのある用紙にでも、しっとりとしたマットな手触りを実現可能です。
擦れに弱く、擦り傷などが目立つため、扱いに注意が必要です。

ツヤありPP加工とは、その名の通り用紙表面に光沢を発生させる加工の事です。
各社により名称に違いはありますが『ツヤありPP加工』と『グロスPP加工』は同義となります。
用紙の表面に全くツヤのない用紙でも、ツヤありPP加工をおこなう事で、超光沢の仕上がりとなります。
家庭用プリンターで使用する、写真超光沢紙をイメージいただければ分かりやすいと思います。

ツヤなしPP加工とは、その名の通り用紙表面の光沢を消す加工の事です。
各社により名称に違いはありますが『ツヤなしPP加工』と『マットPP加工』は同義となります。
表面の光の反射を抑え、手触りも滑らかで、非常に落ち着いた仕上がりとなります。
シックな雰囲気や高級感を演出したい場合に適した加工方法です。

PP加工をご利用される際の注意点

・PP加工の費用が高額

資材の高騰などが原因で、PP加工の費用も値上げされている傾向です。
見た目は豪華になりますが、1枚あたりの加工費用が20円以上必要で、なおかつ最低セット料金が発生します。よってよほどこだわりがない場合は、あまりオススメしません。

・ツヤなしPPは擦り傷に注意

見た目もシックで手触りもよく、非常に高級感を演出できるツヤなし加工ですが、擦れにめっぽう弱く、爪などのひっかき傷なども非常に目立ちます。
絵柄面積の多い印刷物には特に注意が必要です。

・穴あけ加工について

印刷物にパンチ穴をあける加工です。
資料をバインダーへ綴じ、保管する場合に適しています。社内資料や本文を抜粋して利用したい場合などによく採用される加工です。

・2つ穴あけ加工標準位置について

・穴の直径は6ミリとなります。
・穴の中心から穴の中心の間隔は80ミリとなります。
・本の綴じ部分から穴の中心までの間隔は10ミリです。
・多少の位置ズレが生じる場合があります事あらかじめご了承下さい。
・穴あけ位置のご指示をいただく場合は、必ず穴の中心からの数値を記入ください。
・穴あけ加工のご指示をデータ内にいただく際はそのまま印刷されてしまいますので、実線として残らないようにご注意してください。

穴あけ加工写真

標準の6ミリ以外をご希望の場合は、必ず別途ご指示をいただけますようお願いいたします。
ご指示がない場合は、標準の6ミリにて加工させていただきます。あらかじめご了承ください。
薄い用紙(上質55kgなど)の場合、用紙自体が脆く、穴をあけた部分から破れてくる可能性があります。上質70kg以上を推奨いたします。